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ヒロタが綴る日々の出来事

アトチョットダケアリマス

[News]Creema store 5月の受注始まっています ←UPしました。

メインサイトでのお知らせが遅れてしまい本当にすみません!このサイトでチェックをしてくれていた方がいらっしゃいましたら心よりお詫びいたします。上記リンクの内容の通りです。また受注は行いますので、待っていてくださるとうれしいです。

そしてご注文くださったみなさま、ありがとうございます。販売開始と同時にぱたぱたとご購入の連絡が入り、「待っていてくださった…!」と胸が熱くなりました。ひとつひとつ丁寧におつくりしていきますので、どうぞお待ちくださいませ。

一区切りのお仕事もあれば、増えるものもある。そしてこうやってやらかすこともある。お客さまはじめ関わってくださる方のおかげで、いいご縁がつながってものづくりができています。もはやそれしかない。

虹みて想う

2022.4/30

『夢見るギニョール展 -ウサギとお髭-』

↑イベント詳細ページに作品ラインナップ追記しました。

 

あらためて見てみると土台の虹がバウムクーヘンに見える。

転じてハワイに行きたい。

ロウインターナショナルにあるレインボーブレッドを買いに行きたい。あれ絶対おいしいやつだと思う。

 

お楽しみに

2022.4/28

5月13日から始まる人形の展覧会「夢みるギニョール展」の作品がようやくできあがりました。今回も3点。いろいろと試行錯誤した結果、またあたらしいアイデアが形になったのでご覧いただけたらうれしいです。

できあがったらタイトルを決めたり、キャプション(説明文)を考えたり、これはこれで思いを巡らせる所です。どうしようかな。この3匹が一同に集うのは最後かもしれないので集合写真も撮ったりしました。また画像でもご紹介したいと思います。

今回はデザイン画を描いてから制作するパターンと、何となくつくりながら「このうさぎはどんな風な子だろう?」とライブ感覚で作品と対話しながら進めたパターンの2つがあります。美しいものもそうではないものもカジュアルな今の気分も作品に昇華させて送り出す。ふわふわとしたものだけで漂わせてしまうよりもこうすることを選ぶ方がいい気がしていて。いや、単純にここまで続けたら引っ込みがつかなくなっただけかもしれない。せっかく続けてこられたものづくりだし、一歩でも前に進みたいし、つくれることがとっても嬉しいので、感謝を持ってお届けしたいです。今回はギニョールさんが会場ですが、本店のJAMPOTさんはオープニング時からお取り扱いしていただいているショップです。久しぶりの実店舗のイベントに参加できてうれしいので張り切りました。

るん、

2022.4/24

4月は人形をたくさんつくります。

この方の全貌は冬のお披露目で今はまだ途中段階だよ、とSNSに書いたら「冬までダンスの練習をするのだな」とコメントをもらってとってもうれしくなりました。発表会までにはきっと上手にできるようになるでしょう。みなさんいつもありがとう。

先日、若い子に「そういう時は素直に喜んだらいいんですよ」と言われてはっとしました。気づかせてくれてありがとう。

長い話

2022.4/21

絵でも立体でもフェルトでも、作品を世に出すこと、表現することって自分を外に曝け出すことだと思っています。時には言葉よりも正直に雄弁にすべてを語る。そのこと自体にいいもわるいもなくて、ただ「そういうこと」なだけです。

作品を観てくれる人は、「その人」というフィルターを通して観ます。たとえ作り手(ヒロタリョウコ)のことを見ようとしていたとしても、「その人が思うヒロタリョウコ」であって、作品を観て感じて考えるのはあくまで鑑賞者が主体です。自分自身を観ています。観たときのご自身の環境や心の状態によっても毎回感想は違うかもしれません。

でも、なんかこの雰囲気好き、とか刺さる、とかよくわかんないけど苦手、など感覚で観るのも自由です。総じて「お?」って感覚。わたし個人も軽くて好き。疲れている時なんかは特にいいです。

誰かの心に小さな水滴がぽつんと落ちて波紋が広がる。そんなものがつくれたらいいのになという自意識も時には現れます。モチベーションにもなるのでわるいことではありませんが取扱注意の自意識なので、そんな時はひたすら没頭。つくっているものの声を聴きながら向き合う。と思って日々ものづくりをしています。

もっともっとエゴ全開だった頃からスタートして20年以上経ちました。答えや終わりがない世界、でも良くない作品は確かに存在する、とはいえ結局よくわからない、でも続けた先に見える景色がやっぱり気になる、つまり未来が見たい。そのための今現在。時代、環境、健康面での経年変化などあって若い頃の感じとは違いますが、心の声に耳を澄ませて今現在の方法を探しつつやっていけたらいいな。昔、「自分や人生とは戦うものではない」(うろ覚え)と言われたことがあって、それが今にきて活きている気がしています。

 

1日1日

2022.3/20

今日は少し寒い朝でした。吐く息が白かった。作業中はだいたいYouTubeの様々な動画を流していて、最近のブームはメイク関連です。わたしもすっかりお年頃になって今までの適当なケアではどうにもならない事が増え、若い頃とはお肌の具合もメイクの仕方も変わってくるのでアップデート期。オタク気質が少しあるのでめちゃくちゃ楽しいし、すべてを買い替えなくてもテクニックをちゃんと知ると何をすれば良いのかがわかって、調子が全然変わります。気のせいかもしれませんが…。しくみを知って、試して、自分に合う方法にカスタマイズしていくのが好きなのだ。

今月のオーダーの半分をフェルト化完了したので、明日からはしばらくニードルフェルト作業。体の負担を軽減するために、いろんな作業を数日毎に交互にやります。

前頭前野

2022.3/15

身長ほどに積もっていた雪もあっという間に解けてゆき、窓を開けると空気の匂いが春に変わっていました。雪国に住む寒がりのわたしにとって春は殊の外待ち遠しい。地面が雪に覆われて見えなくなり、寒さをしのぎながらじっとしているから。住み始めた当初は都市部と比べて情報が削ぎ落とされずいぶんとほっとしたのですが、少なすぎるとこれまた物足りなくなるものなのでした。

毎年恒例、モチーフ依頼のデザイン画に取り組んでいます。あれこれと描いては没にし、そこでひらめきや気づきがあり、描き直してみつかることがあって、感覚が前にでてくる。やっているときに何かをつかんだような瞬間があったりもしますが、すべてをつかんだ気になってはいけない。驕ってはいけない。…こういう取り組みを何もかもに充てることは物理的に不可能なので、ゆえにすべての物事において「選択」というものが存在するのかなと思ったりしました。思考を言葉に変換しようとする癖をやりすぎている時、制作と外の世界をつなげようとし過ぎている時、「人間らしく」あろうとしすぎている時、いつも前頭前野が痛くなります。(最近気づいた)単に使いすぎで痛むのか、もともと低スペックなのにフル稼働するからオーバーヒートで痛むのか、そこは判断に迷いたいところです。

2022.3/11

人形をつくっています。頭部だけだとちょっとホラー。瞳は初めて使う真紅のガラスです。

ボディーをつけて現在はこんな感じ。まだ途中なのでこの雰囲気は今だけだろうな、と思い撮影しました。ここからしばらく寝かせて次の制作に入ろう。(締め切りがある)

ニードルフェルト、ウェットフェルト、絵を描く、これらを交互にしていかないといずれの感覚も取り戻すのに時間がかかるし単一作業は身体に負担がかかるので、いろんなことを並行してやるのが好き。

 

ところで、ジョージ・フレデリック・ワッツの絵画「希望」がじんわりと心に染み入るようになりました。というか、最近やっと作者とタイトルを検索してたどり着きました。たった一本の弦が残った竪琴に耳をぎりぎりにまで近づけ、その微かな音を聴いている目隠しをした少女の絵です。まだ残っている微かなものは希望かしらと。残っているものを聴こうとする、気付こうとするたくましい心。絶望と希望は表裏一体で、あなたはどこに目を向けるのか。または残っているのに「もうないのだ」と目を向けようとしないのか(見ないと決めるのか?)。見ないで悲しんだりするのは余裕があるからできることだよな、残っているものがあると本当は知っているからだよな、とか。いろいろな気持ちになります。寓意画って結構好きなんだなと気づきました。

雪です。車の雪を払い、庭に融雪用の水を流すために川を少しメンテナンスしてから水を出してきました。今日も制作です。昨日調べ物やラフスケッチをしてゆるっと固めたので、あとは実制作しながら発見や変化をしていく段階。創作は良いことでも悪いことでもなく、勝ち負けでもなく、内面のさまざまな闘争のようなものも含めた何かを作品に昇華させていくとても平和的な行為。長く敬愛する奈良美智さんの作品テーマの多くが「still alive」。この2つが、心の片隅にあります。

わたしの作家活動は22年目を迎えていて、長いこと手間ひまかけて育ててきた果物の木みたいなものです。その木を見てみると、実がなってはいるようだけれどまだまだ収穫には早そうで、今後も育ちや変化を見守っていくんだなあと思います。やれることはやっているはず。だけどまだまだ。なんだか心配になることもありますが、実はなってきている、はず。あせらずくさらずつつましく、謙虚さを失わず、チャレンジと同時にできるできないの線は引き、目の前の手仕事に向かおう。(そんなふうにいつもやれたらパーフェクト過ぎてもはやロボ)

先のことっていつだってもやもやとしてよくわからないし、見えないから不安。やるべきことやりたいことがあろうが無かろうがこういう気持ちは無くなることはないのでしょう。そんな気持ちに寄り添うのもお役目です。だからこそやれることに、ものづくりに取り掛かるのだと思います。制作の海へダイブして「酸素ボンベが足りないかも〜!」な時の苦しさと、追加のボンベを獲得する知恵と工夫と、ときどき獲得に失敗して「あららら」な時と、作品が完成した時の喜び。完成は、やっぱり皆さまの目に触れた時。