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ヒツジフエルト縮絨室について

廣田良子近影>

ヒツジフエルト縮絨室 / ヒロタリョウコ

フェルト造形作家 美術作家

1977年
富山県生まれ
1996年
高岡工芸高等学校デザイン科卒
2000年
京都精華大学美術学部テキスタイルデザイン専攻卒
同年1月1日に作家活動を開始する

ちょっぴり絵が描けたというだけで高校からデザインの世界に進む。
広告デザイナーになりたくて友人と共に美大受験の勉強に励むが、その過程で優秀な 友人の才能をまのあたりにしたことと、デザインの才能が自分にないことを自覚する。何かをつくりたい、美大に行きたい、というぼんやりとした思いでようやく受かった テキスタイルデザイン専攻に進む。
ここで先輩がやっていたフェルトに出会い、面白いと思えたので大学を辞めずに済む。勢いで卒業の年の元旦に勝手に作家活動を開始する。

羊毛がだんだんフェルトになっていく過程は(思うようにいかない時も含めて)まるで 生きているようであり、その過程を自分の手で起こせるのが面白くて現在に至る。

フェルトメイキングについて

縮絨室と呼んでいる小さな作業場にて、日々、羊毛の種類、特長、質感を実験・研究しながら、すべて手作業で羊毛の綿からフェルトに仕立てています。

フェルトは、繊維状態の羊毛に熱・摩擦・水分・アルカリや石けん溶液・圧力などを加える事で、段階的に縮みながら布になっていく素材です。保温性に優れ、弾力性に富み、手作業でつくることで、その厚みも自由に調整することができます。編み物とも織物とも違った、繊維を布に組織化させる方法です。

現在身近に使われているフェルトの多くは工場の機械によってつくられますが、こちらも基本的な行程は同じです。

また、羊毛の品種によって仕上りの質感、縮絨率がおどろくほど変わります。実験を繰り返し、羊毛たちと相談しながら、それぞれが持つ特徴を知り、作品をおつくりして皆さんにお届けいたします。

多くの方が羊毛やフェルトという素材にもっと親しみ、楽しんで使って頂ければいいなと考えています。

※縮絨室の「縮絨」とは「しゅくじゅう」と読みます。毛の繊維を絡ませて縮ませ、フェルト状(生地)にすることをいいます。