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ヒロタが綴る日々の出来事

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あなたは誰だ、
私の詩をこれから百年後に読んでいる読者は
私はこの春の富の中のただ一つの花、
彼方の雲の黄金のただ一筋をも君に送ることができない
-タゴール-

さてさて、
阪急百貨店のイベント、はじまります。

ヒツジフエルト博物館-trois-

展示を観る
好きなものを探す
使う
秋支度
いろんな楽しみ、お届けいたします

何はともあれ、お越しくださいませ。
暑い夏、お仕事、勉強、夢、現実、妄想、楽しいこと、大変なこと。それぞれの日々の中でいろいろあるであろうこと。それらをわくわくで包むことができれば。
実際に手に取って見ていただき、色や手触りでお伝えしたいと思ってます。

今回の在店は、
・8/12(fri) 17:00-21:00
・8/15(mon) 17:00-20:00 です。
在店中は作品の説明やご質問もできる限りお受けいたします。
(レジ担当中や休憩中はご容赦くださいませ)

音の中より

2016.8/5

今日の作業BGM
・Juana Morina-の、いろいろ←とりあえず最高。アルゼンチン音響派
・Raidiohead-Reckoner←今日これを聴いた時のガン上がり度ハンパなかった
・Four Tet-A Joy←こちらも上がりまくり

好みの音に出会うと思わず涙ぐんでしまうほどの感動を覚えます。
音楽やアートがあってよかった。最近、好きな音楽に出会える確率が上がっている。

ウエットフェルトのローリングの際、目を瞑って手の感覚と音楽に集中してやるととてもいい感じです。
フェルトメイキングは感覚的なもの、手のセンサーが重要なので手元の感覚に集中できるというか。

さてさて、近々、阪急百貨店イベントのお知らせをUPします。今回もミニ個展をさせていただきますので、ぜひぜひ足をお運びいただけると嬉しいです。暑い日が続く中、来てくださった皆様に少しでも元気をお届けできるようなものになればと思っています。
作業はまだまだありますが、来てくださる皆様に楽しんでいただけるよう、私も精一杯楽しんでおります。

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縮絨室で日々こつこつと作っていたものを

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沢山のみなさまに手に取って頂き、幸せな時間でした。

阪急百貨店、そしてJAMPOT本店と続いた天体観測展。本日無事終了いたしました。お買い上げくださった皆様、告知にご協力くださった皆様、JAMPOT&Guignolの店主さま、ご一緒させていただいた作家のみなさま、本当にありがとうございます。皆さま、おつかれさまでした!

正直に言うと、一般的に暑い時期は涼しげな素材感のもの、アクセサリーがよく売れます。また、人気作家さんも多く出品されましたので、この時期に百貨店でミニ個展をフェルトで行って大丈夫かな・・?と不安もありましたが、多くのお客様にご覧いただき、また手にとっていただけて嬉しい気持ちでいっぱいです。
私は本当にこの仕事が好きです。ずっと続けるために、今の生き方になっているようなところがあります。ものを創り出すのは身を削るようなところも多々あるけれど、気分が盛り上がっている時なんかは「身を削るくらいで少しでも良いものができるならかまわない」と思います。(いつも盛り上がってちゃ身が持ちませんので、普段は冷静に淡々と粛々と作業を進めております。また、定期的な身体のメンテナンスも必須です)
それらの作業の果てに、出来上がったものをお届けすることが天命だと思っています。

若い作家さんたちの作るもののパワー、勢いもひしひしと感じました。またまた正直に言うと、今まで樹脂素材のアイテムはそんなにピンときていなかったのですが、今回、いろんな工夫をされた樹脂の作品を実際にたくさん拝見して、クオリティの高さに驚きました。
素敵なものを見ることができて本当によかったなあと思います。私もぼんやりしていちゃいけませぬ。

次は8月のお盆の時期に阪急百貨店イベントにミニ個展で参加いたします。また詳細はお知らせいたしますので、今回見逃した方々にも来ていただけるよう、がんばります。どうぞよろしくお願いいたします。

鳩の洗濯

2016.7/12

阪急百貨店での天体観測展で知人が購入してくれた鳩座のブローチを、「洋服に付けたまま洗濯してしまった」と報告が(結構あります、これ)。
あらら、早速メンテナンスかしら?なんて考えていたら、
「しっかり脱水までしてしまったのに、全然大丈夫だった!」と。
ピンをつけている部分も、ビーズ刺繍の部分も、フェルトブローチ本体も、全く買った時のままだったと。びっくりしたので報告した!と話してくれました。
すっかり洗われ脱水までされてしまった鳩のことを想像して「大変だったろうな、鳩。」と笑みが浮かんでしまいましたが、嬉しい報告でした。

ヒツジフエルトのブローチは、触っていただくとわかる通りしっかりと固くフェルト化させています。そしてピーズ刺繍の繊細な部分は、特殊な糸を使用しております。本革にピンを縫い付けて(革細工の縫いの素材を使っています)いる裏は、水に濡れても取れにくい接着剤を使用しています。

「丈夫にお作りしています」とはアナウンスしていますが、具体的な部分はあまりお話ししていなかったな・・・と、その知人のアドバイスを受けて、ちょっとお話ししてみました。(教えてくれてありがとう!)

使うものは丈夫で長持ちすることが大事だと思うので、表面的に現れる作品の部分と同様に丈夫さには気を使っています。
飽きたからと捨てられてしまうのではなく、自分はもう身につけないけれど誰かに譲ったりなんかして、アンティークのアクセサリーやぬいぐるみのように、どこかのアンティークショップなんかにひっそりと佇んでいられる存在になったらいいなあ、なんて夢見ていたりもします。
日本を超えて海を渡っている作品たちもあるので、それこそ流れ流れて蚤の市にひっそりと出ていたり。
そんな想像が楽しい。

他にも「猫に戯れられて家具の後ろに行ってしまったけど最近発見した」とか、いろいろと受難も多いようですが、いろんな作品がそれぞれの場所で元気にしているようです。
(あ、もちろん、気をつけてお取り扱いいただけたなら何よりです。笑)
または、「ずっと使ってるよ」と10年もののキーケースとかコースターを見せていただくこともあったりします。続けてきてよかったなあと思える瞬間の一つです。作品が「ヒロタのもの」である時間はごくごくわずかで、皆さんの手に渡ったならそれはもうその方のものではありますが、その後のお話を聞けるのはやっぱり嬉しいものです。

阪急百貨店の天体観測展にお越しのみなさま、ご購入くださったみなさま、ありがとうございました。引き続き、現在JAMPOT本店での天体観測展に参加中です。どうぞよろしくお願いいたします。

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さて、土星。木星に次いで太陽系では2番目に大きい星です。
何と言っても赤道面上にある環で有名ですね。
環は岩石が混じった氷の粒子で構成されています。環の起源については諸説ありますが、実際のところは謎らしいです。

木星にはたくさんの衛星があります。その数53〜64。環の構造を保たせる役割を果たしている衛星もあるらしく、この環が拡散してしまうのを封じる働きをしている衛星を「羊飼い衛星」と呼ぶそうです。うまいし、いい名前だなあ。
宇宙が好きなのは小学生からですが、大人になってから宇宙の星々や地形に素敵な名前がいっぱい付いていることを知りました。
星本体の構成などについては台紙裏にまとめた説明文章を読んでいただけたらと思います。

さて、ヒツジフエルトの土星の本体はイエロー系の縞模様。糸も入れ込んでフェルト化させています。環はこのイエローと相性が良く、適度に環が目立ってくれるセージ色を選びました。 

実在するものを作品にしていくとき、実際の部分とアレンジする部分とを考えて作品に落とし込んでいくのが楽しい。

次は天王星をご紹介します。

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太陽系の中では大きさ・質量ともに最大の惑星。
直径は地球の約11倍もあります。

縞模様が特徴的な星ですね。
明るい筋をゾーン、暗い筋をベルトと呼び、ゾーンでは東から西へ、ベルトでは西から東へと互い違いに風が吹いています。学校の授業でも習う重要語句「大赤斑」は大きな暴風の渦で、目玉のように表面に見えています。地球3つ分の大きさがあり、400年以上ずっと存在していると言われていますが、どのようにできて、なぜ長い間消えずに存在しているのかは明らかになっていません。
また、視認は難しいのですが、環もあるそうですよ。
不思議なこと、わからないことをこうやって知るたびにわくわくします。

印象的な筋模様な木星。私は射手座で、守護星が木星でもあるので特に気になる星です。筋模様や大赤斑を、木星に合うような糸をセレクトして表現しました。色合いも木星のイメージを大切にしてお作りしています。

ちなみに、私がよく作品名に使う「カリスト」は、木星の衛星カリストから取っています。
私が作ったパラレルワールドのような空想の世界では、カリストは星降る星。カリストの羊がたくさん住んでいます。(という、想像です)

カリストの羊は現在完売中ですが、カリストの雫ブローチは2点ほどウェブショップにございます。2013年のコレクションで数少ないので、気になった方はヒツジフエルト縮絨室を覗いてみてくださいね。

現在実店舗ではこちらのショップで販売中です。
また、ウェブショップのヒツジフエルト縮絨室のみで冥王星をプラスしたバージョンを限定販売しています。2006年に太陽系の惑星から外され、今は準惑星になっているのですが、占星術では重要なポジション。近年の調査で2015年に鮮明な画像が撮影・公開されたこともあり、制作しました。
それまでの写真はぼんやりしたアイスの実みたいなものしかなかったので、くっきりした画像にとても興奮したのを覚えています。

次は土星のコースターをご紹介します。

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火星は地球のすぐ外側を回っている、硬い岩石の地表を持つ惑星です。
表面に酸化鉄が大量に含まれているため、赤く見えるのだそうです。

この赤茶を表すために何色もの赤や茶の羊毛をミックスし、またマリネリス渓谷を中央付近に配置しています。点々はタルシス高地の火山群を表しています。この向こうに、かの有名なオリンポス山があります。

太陽とは違う赤茶系の色合いに仕上げました。火星の写真としては1980年にバイキングが撮影した画像が有名で、それだともっと黄土色っぽいですが、他の惑星コースターとの兼ね合いや火星が持つイメージ(火や赤、戦いの神など)を意識し、あえて赤っぽくしています。

火星にはキンメリアの海、子午線湾、アキダリアの海、シレーンの海などなど魅力的な名の場所がたくさんあり、名付けの由来や地形など調べていくのも楽しい。
これはどの星にも言えることではありますが・・・(月の地名なんて、かなりドキドキします。ちょっと厨二心をくすぐられます)

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私たちが住む惑星。
空気・水・大陸から成り、それらによって生命が育まれています。
現在人類によって唯一生命体の確認出来ている天体です。

青は、何色ものブルーをミックスさせており、白い雲は真綿の絹を使用しています。
今までご紹介した水星・金星と同じく地球にも絹素材を入れ込んでいます。絹と一言で言っても、使用する種類・部位によって多様な表現をすることができます。動物性なので、羊毛とも馴染みやすくよく扱う素材です。

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そして太陽系を入れている標本箱について。

一見桐箱にも似ているこの木箱は、ファルカタというマメ科の木を使用しています。マルク諸島・ニューブリテン・ソロモンに多く分布しています。清潔感があり軽くて丈夫、すっきりとした白であることから、こちらの素材を選びました。
ヒツジフエルトのオリジナルスタンプを捺印しています。

実店舗では一枚ずつのバラ売りもさせていただいていますが、箱入り標本箱の方はかなり割安にしております。ギフトとしても贈りやすい箱入りです。

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宵の明星・明けの明星で知られる地球のすぐ内側を回る惑星です。
自転の方向は逆行しており、金星では太陽が西から昇り東へ沈みます。大きな星との衝突によって自転方向が変わったと考えられています。

金星はとても分厚い大気の層に覆われており、その様子を表すために、様々な色とシルクスライバーをカーディング(ミックス)させています。金色と、羊毛との質感の違いでコースターの表面に変化をつけています。
グリーンがかったスモーキーなセージ色や生成りなど、気に入っている色をたくさん使って制作していることもあって、個人的に好きな作品に仕上がりました。

2010年にJAXAによって金星探査機あかつきが打ち上げられました。金星を調査することによって、地球がなぜ生命溢れる星となったか、その手がかりが得られると考えられます。地球を知る上でも、重要な星の一つです。

次は地球をご紹介します。

実店舗ではこちらのショップで販売中です。
また、ウェブショップのヒツジフエルト縮絨室のみで、冥王星をプラスしたバージョンを限定販売しています。

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水星から海王星までの太陽系惑星のコースターと、太陽のポットマットが木箱に入った作品「太陽系の標本箱」。
ヴィンテージ標本仕立ての台紙の裏に詳しい星の説明文を付けており、読み物としてもお楽しみいただけるようにしています。
今日からひとつずつ、各星の詳細を記していきたいと思います。(説明文を引用しておりますが、ごく一部です)

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太陽系の中で一番内側を楕円軌道で回っている惑星です。
見かけは月に似ていますが、表面は鉄分が少なく、白に近い色だと考えられています。
最低温度-173度、最高温度427度と過酷な環境でもあるため、計測されていない空白領域が多く、探査が遅れている星の一つです。

というわけで、あまり詳細がわからない星なので、どのように仕立てようか悩みました。今までに撮影された画像や、無数のクレーター等の存在から想像を膨らませ、染められていないナチュラルグレーの羊毛に金に染めた絹の繭を入れ込みました。グレーだけという案も考えましたが、ちょっと地味かな?と。質感・色的に変化をもたせたいなと思い、このような仕上がりに。金の繭は硬めなので、ちょっとざらりとした質感になっている所と、グレーとゴールドの組み合わせが気に入っています。

まだまだわからないことだらけの星です。「計測されていない空白領域が多く探査が遅れている」なんて聞くと、余計に好奇心を刺激されます。

実店舗ではこちらのショップで販売中です。
また、ウェブショップのヒツジフエルト縮絨室のみで、冥王星をプラスしたバージョンを限定販売しています。2006年に太陽系の惑星から外され、現在では準惑星になっているのですが、占星術では重要なポジション。2015年に鮮明な画像が撮影・公開されたこともあり、制作しました。

次は金星のコースターをご紹介します。