実家に行くと、庭には白い花が咲き乱れていた。名前もわからないその花は、私が何年か前に母の誕生日に贈った鉢植えを地植えしたものだそうだ。根を下ろし、増えてゆき、毎年秋になると咲くようになったらしい。
居間から見えるその風景に、切り花にして玄関に活けるのも勿体ないような気がしてそのまま風に揺れ雨に降られている白い花を見ていた。
先だっての台風で落ちに落ちた柿の葉を竹箒でてみに集め庭の草木が植わる場所に肥料として撒く。腐葉土となり栄養となっていくだろう。
わたしは自分を守るためなのか真面目な話になるのが照れくさいのか時に道化のように茶化すことがある。大人はやさしいのでここ何年もその事を指摘してはもらえないし、されたくなさ過ぎて何年もわたしはそれをなるべく避けてきた。気まずい。しかし家族は家族なのでそれを忌憚なく指摘する。
此処にもわたしが住まいを変える意味があるのかもしれない。白い花は変わらず揺れている。