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ヒロタが綴る日々の出来事

棘は棘として

2013.8/14

お知らせ更新しました。
・阪神百貨店さんでお出しした作品は、引き続きJAMPOTさんでも展示いたします。

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海外の料理動画をよくみている。
きれいな画質で、手際よくお洒落に編集されて、BGMも良くて、気持ちがいいので、ぼうっとみている。
みていて気持ちがいいのは、アングルや、撮影や、音楽、編集などに工夫がされて作られているから。
短い時間の動画の中に、たくさんの工夫が凝らされているんだなあと思う。

かんたんにすぐにできる、価格も抑えたものをつくってください。
という言葉は、
理屈としてはよくわかるし、ある意味正しい事だ。
しかし、かんたんに言葉にして言うものではないと思う。
どんなものも、程度の差こそあれ、てまひまかけてつくられているのだから。
そして私は、法外な価格で作品を提供している訳ではない。
生きて、ご飯を食べて行くために、材料費と、工賃と、デザイン料を考えて出している。

昔言われて、今も時折思い出す、心にちくりと刺さり続けている小さな棘だ。

正しく言えば、言われた事に対して、「わたしは嫌だなと感じています」というのを伝えられなかったのが、棘なのである。
回り回って結局は自分が可愛いので、人に対して言えない事が多い。
そんな自分に心底嫌になる時があるけれど、無理して「言える自分になろう」とは思わない。
何だかんだで、言うべきときは、言っているはずだ。
わたしはそういう人間だ。

子供の頃は、料理番組をみるのが好きだった。
それを見て何か作るわけではないのだが、行程をただみているのが楽しかったのだ。
それはあまりにも無知で、とても幸せな時間だったと思う。

Yeah,kuma〜

2013.8/9

お取り扱いいただいているJAMPOTさんの阪神百貨店出店イベントが、始まっています。
人気の定番作品に加えて、イベントの際は何か新作をと考えていて、今回はクマ&猫ブローチをあたらしくお届けしました。
猫ブローチはJAMPOTさんで先日まで開催されていた”ブレーメンの音楽隊”のときにデビューしたもの。
毎回、表情がちがってくるんです。
そこがつくっていて飽きないところでもあります。
ぜひ、足をお運びくださいませ。

昨日は所用で久しぶりに京都まで足を運び、帰りに羊毛を仕入れたり(やっと、すこし仕入れができました〜〜)、以前とってもとってもお世話になった、ニットウェアデザイナーの先生の新しいショップ兼アトリエにお邪魔させていただいて、ワインをごちそうになり、他にもいらした先輩たちとお話したりしました。
お世話になった当時、私は22〜23才で、あの頃は本当に世間知らずのどうしようもない生意気な子供でした。あのときは子供すぎてすみませんでした的なことを、(お酒の席ではありますが)ようやくお話できた気がしています。
京都の町家を改装した、とっても素敵なアトリエショップでした。
また遊びに行かせてもらって、お話ができるように、こつこつと活動して行こうと思います。

努力するとか、がんばるとかいうのは、大前提で当たり前のこと。
そこから先、どんな事をして行くかが大切なんだなあと、最近特に感じています。
恥ずかしながら「がんばってるオレ」で自分を酔わせていた時間が長かっただけに・・・
ほんと、ふんばりどきです。

こちらは展示作品のようす。

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今回は撮影をしていただいたので、ワークショップのようすや展示風景など、いつものようにパタパタとあわてて?自分で撮影するよりも、落ち着いた写真がたくさんあって、よかったです。

撮影ありがとうございます。

みなさんのいい笑顔が印象的なワークショップでした。

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ご参加、ありがとうございました!
またお会いできる日を楽しみにしています。

透明な布

2013.7/29

RIMG0312.JPGのサムネール画像

手織り作品展、そして手織りワークショップ、無事終了いたしました。
お越しくださったり、告知してくださったり、空間を使わせてもらったり・・・いろいろな方のご参加、ご協力のおかげです。
独りでこつこつやる時間が多い分、人の温かさが身にしみます。
ほんとうにありがとうございます!

会場の様子、今回はワークショップの様子も含めいろいろと撮影していただいたので、届き次第またUPします。

織りの世界は奥深く、頭を使い計算し、表現したいものと技術を練り合わせ、途方もない時間をかけて織り上げる作品もたくさんあります。
織りの作家として活動される方はまさにそんな世界に身を置いて、日々制作に向かわれているんだと思います。
(織るための糸を紡ぐところから始めている方も多くいらっしゃいます。)
今回は、私が以前からずっとやっていた、つづれ織り・平織りというベーシック中のベーシックな方法で制作し、ワークショップでもそれをしていただきました。
みなさんで賑やかにおしゃべりをしながら進むワークショップも楽しいですが、もくもくと穏やかに作業をするというのもすごくいいなあと感じました。

今日はしっかり休んで、明日は家事にいそしみます。笑。
次の制作もやっていこう。

no title

2013.7/25

ああだこうだと言葉をつくして、いろいろと告知をしているが、根っこにあるのはいつも「こんなのができたよ、見てみて!」というごくシンプルなものだ。

フリーランスでやりたいこと、すきなことで生きていこうと決めた。
つくりたいものを探り、かたちにしていく。
その結果を、ひとりでも多くの人に見てもらえるように、今日も言葉をつくすのだ。

自分で自分の作品の事をああだこうだというのはやっぱり苦手だけど(しばしばクラクラする)、必要とあらばがんばるのであります。

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27,28日のワークショップ参加者さんにお渡しする、手織りのレシピを制作。
今回は手描きです。
教室だけでは覚えきれないかもしれないちょっとしたコツも書いてみました。
段ボール織りなので、やりかたを覚えればお家でもつくれるようになります。
段ボール織り機といっしょにお持ち帰りくださいね〜。

27日は午前・午後ともに、定員に余裕があります。
28日は、午前11:00〜の回が残席2名様です。午後14:30〜の回は定員に達しましたのでしめ切らせていただきます。
材料の準備がありますので、お申し込みは明日25日までとさせていただきます。

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carbonの入り口付近の空間は、ちょっとお庭的で自然光もきれい。
今回の展の作品を撮影しました。

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細部は、いろんな素材&色の糸で織り上げています。
色の変化もじっくりみていただけるとうれしいです。

もちろん、裂き織りのコースターやポットマット(お知らせページや以前の日誌を観てみてくださいね)など、普段使いしやすい作品もいろいろご用意しています。

水・木はお休みですので、26日(金)〜最終日の28日(日)まであと3日間。
ぜひ、廣田の手織り作品を観にいらしてください。
通常のフェルト作品では限定のてるてる坊主、ご好評いただいている富士山ブローチをちょっとだけご用意できましたので、置いています。
会場の8HATI空間は、carbonの姉妹店。
すこーんと天井が高くて、とっても気持ちのいい空間ですよ〜。

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photo.JPGのサムネール画像
Ryoko Hirota Exhibition “Transparents fabrics”

1 〈物が〉光を通す, 透き通る, 透明な
transparent quartz
透き通った水晶
(as) transparent as air
空気のように透明な.

2 〈織物などが〉透き通るほど薄い;ガーゼ状の
transparent fabric
透けて見える布地.

3 〈人・性格が〉気どらない, 率直な, ありのままの.

4 〈口実・意図が〉明白な, 見え透いた, すぐわかる
a transparent falsehood
見え透いたうそ.

5 ((形式))〈文体が〉平明[明快]な, わかりやすい.

goo英和辞書より

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実際に透けているというよりは、織る、という行為についての
“transparent”。
織る事で、ざわざわとする心が穏やかに。心が透明に。空に、無心になっていく感覚。
大人になると、無心で何かをつくるということが少なくなっていく、のかもしれないけれど、やっぱり、作るという行為で、透明な気持ちになることっていいなあと、思うのです。

ワークショップも開催いたします。
参加者さん、募集中です!
一緒に手織りコースターを作りましょう〜。

廣田良子 手織り作品展&ワークショップのお知らせを書きました。

皆様のお越し、参加をお待ちしております!

昔から日誌(ART OF DAYSの頃から)を読んでくださっている方にはおなじみのお話ですが、ありがたいことに新しいお客様も増えてきたので、「何故に織り?」と感じる方もいらっしゃると思い、久々に改めて経歴をお話したいと思います。

もともと、大学で染織を専攻していました。
学んだのは主にろうけつ染、型染、シルクスクリーン、織り。
3回生からは織りを専攻して、そこからファイバーアートへ。ファイバーアートとは、織りにこだわらず、繊維を使っていろんな表現をする分野です。この分野でフェルトメイキングを知りました。

卒業後、オリジナルの糸をつくる会社に就職して、糸の販売や糸を使った編み物、織物、手紬ぎなどをし、学び、お教室もさせてもらいました。(フェルトも扱っていました。)
働きながらいろんな技術を学ぶ事ができた場所でした。
何気なく着ている服も、もともとはすべて1本の糸で、その糸も、元々は綿花だったり羊毛だったり、工場で作られていたりする。大変な手間ひまがかかっています。
その「もともと」を辿ることで、自分の見える世界が変わったのを今でもよく覚えています。
食べるものがどこから来て、どんなふうに育てられ、加工されて、口に運ばれるのかを考えるように、身につけるものについても、考えることができました。
物が物として私の手に届くまでの道のりを知る事で、物を大切にするということや、何を選び何を買うか、何を買わないのかの本質が、すこしわかったような気がしています。

というわけで、織りをやるのも講師も久しぶりではありますが、糸から何かが作れる楽しさを、ワークショップを通じてぜひ、知っていただけたらなと思っています。
フェルト作品以外の私のものづくりを知っていただけるいい機会になれば、とも。

毎日新鮮な気持ちで制作しています。
教授に教わった言葉をふと思い出したり。
「材料の”生”の感じが残るものではなく、材料を使ってひとつの作品へと仕上げることが大切だ」という言葉。
料理でいうなら、材料を適切な大きさに切り、丁寧に調理し適切な味付けをして、「素材」ではなく「食べ物」にちゃんとなる、という感じ?でしょうか。
素材の恩恵は充分に受けていますが、そこに頼りっきりになることなく、その素材を使ってどんな作品へと仕上げていくのか、の行程が、ものづくりをする人間にとってとても大切な事だと私は思っています。

もちろん、今も学びの最中です。きっと、ずっと。

ブレーメンの音楽隊 at JAMPOT好評開催中です。

富士山ブローチもウェブショップにUPしました。
この色合いの作品、ぜひ世界遺産に登録された記念におつくりしたかった限定カラーです。

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山モチーフは、冬ごろに「なんだか気になる」ようになり、カラーバリエーションいろいろで作ってきました。
おかげさまでご好評いただいていて、とてもうれしいです。
偶然にも、富士山の世界遺産登録のインフォメーションが流れて、これはぜひ作ろう!と、楽しんで制作しました。
裾野に向かって広がり、てっぺんはスマート。夏でも雪が残っていて、見た目にも美しいです。
連邦になっている山も魅力的。
私の故郷には、袴に似た形をしている事で知られる袴腰山や、立山連峰があります。帰省すると、いつも眺めては「きれいだなあ・・・」と、うっとり。