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ヒロタが綴る日々の出来事

天体観測展の作品紹介-かじき座のブローチ

2016.12/13


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「かじき」の星座があることをご存知でしたか?

主に南半球で見られる南天の星座なので、知らない方も多いかと思います。私も星座を調べるまでは知りませんでした。ちょっと(だいぶ?)風変わりなブローチなのですが、シュッと細長いフォルムで小ぶりなのと、色味がシックなのとで意外に付けやすいと思います。まずはトートバッグやリュックに付けてみるといいかもしれません。
星座のブローチはどれもIAU星図に基づいて、星の配置をビーズ刺繍しています。カシミアやラメの糸を使って背びれや尾びれにも刺繍を施しています。

作品について「手触りの良さ」について言ってくださる方も多いので、素材のことと作品作りのコンセプトについて今一度書きたいと思います。よろしければお付き合いくださいね。

羊毛は主に手触りの良いメリノ種のウールを使っています。作品によってはざらりとした質感に仕上がるジャコブ種や、メリノでも比較的番手の大きい(毛が太い)南米やフランスメリノを使うこともありますが、いずれも質の良い羊毛を使っています。
刺繍には主にカシミアを使用しています。カシミアというだけあって繊維が細く、細かな模様をつけることが可能です。
そして触っていただくと分かりますが、かなり固くしっかりとフェルト化させています。そうすることで丈夫で長持ちします。洗濯してしまったという報告もちらほらありますが、お洗濯前と変わらないんだけど、と言っていただけます。そのくらい丈夫です。また、経年劣化によるお直しも承っています。(万が一洗濯でフォルムが変わった!という方がおられましたらその際もご連絡を。)

これは、現在から未来へと受け継がれて、アンティークになっていけるまでの作品を目指して制作しているからということに尽きます。
そのため、あまり流行を追うこともありません。
いずれお買い上げ頂いた方の手を離れても、飽きたからと捨てられることなく、誰かに譲られたり、アンティークショップにひっそりと佇んでいられたりするようなものになれば、人のために存在していることになるのかなあと思っております。

もう少しお話ししますと、若い頃に参加したワークショップでフェルトのパオ(モンゴルの移動式住居)を建てて、フェルトの小物を作って、そのそばでは羊の丸焼きが焼かれていてそれをみんなで食べる、というものがありました。それに参加した時、余すことなく命をいただくってこういうことなんだと衝撃を受けました。羊毛も大切な素材ですし、私の作るブローチで言えば裏に使っている本革も命を頂いているものです。そういうわけで、素材のためお客様のため、ちゃんと長く持つものを作らないとな、ということを実感しました。

とはいえまだまだ至らない点もあるかと思いますので、まだまだ勉強を続けていきたい、ということで、どうぞ天体観測展をよろしくお願いいたします!


JAMPOT天体観測展