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ヒロタが綴る日々の出来事

手織り作品展と、ここまでの話を少し。

2013.6/29


廣田良子 手織り作品展&ワークショップのお知らせを書きました。
皆様のお越し、参加をお待ちしております!

昔から日誌(ART OF DAYSの頃から)を読んでくださっている方にはおなじみのお話ですが、ありがたいことに新しいお客様も増えてきたので、「何故に織り?」と感じる方もいらっしゃると思い、久々に改めて経歴をお話したいと思います。

もともと、大学で染織を専攻していました。
学んだのは主にろうけつ染、型染、シルクスクリーン、織り。
3回生からは織りを専攻して、そこからファイバーアートへ。ファイバーアートとは、織りにこだわらず、繊維を使っていろんな表現をする分野です。この分野でフェルトメイキングを知りました。

卒業後、オリジナルの糸をつくる会社に就職して、糸の販売や糸を使った編み物、織物、手紬ぎなどをし、学び、お教室もさせてもらいました。(フェルトも扱っていました。)
働きながらいろんな技術を学ぶ事ができた場所でした。
何気なく着ている服も、もともとはすべて1本の糸で、その糸も、元々は綿花だったり羊毛だったり、工場で作られていたりする。大変な手間ひまがかかっています。
その「もともと」を辿ることで、自分の見える世界が変わったのを今でもよく覚えています。
食べるものがどこから来て、どんなふうに育てられ、加工されて、口に運ばれるのかを考えるように、身につけるものについても、考えることができました。
物が物として私の手に届くまでの道のりを知る事で、物を大切にするということや、何を選び何を買うか、何を買わないのかの本質が、すこしわかったような気がしています。

というわけで、織りをやるのも講師も久しぶりではありますが、糸から何かが作れる楽しさを、ワークショップを通じてぜひ、知っていただけたらなと思っています。
フェルト作品以外の私のものづくりを知っていただけるいい機会になれば、とも。

毎日新鮮な気持ちで制作しています。
教授に教わった言葉をふと思い出したり。
「材料の"生"の感じが残るものではなく、材料を使ってひとつの作品へと仕上げることが大切だ」という言葉。
料理でいうなら、材料を適切な大きさに切り、丁寧に調理し適切な味付けをして、「素材」ではなく「食べ物」にちゃんとなる、という感じ?でしょうか。
素材の恩恵は充分に受けていますが、そこに頼りっきりになることなく、その素材を使ってどんな作品へと仕上げていくのか、の行程が、ものづくりをする人間にとってとても大切な事だと私は思っています。

もちろん、今も学びの最中です。きっと、ずっと。