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ヒロタが綴る日々の出来事

七夜待

2008.11/8



河瀬直美さんの「七夜待」を観に行ってきました。
なんと河瀬監督の舞台挨拶付き。(Hちゃんありがとう)
映画の事、伝えたい事、見所がご本人から聞けて良かったです。
お話がお上手でその内容も興味深く、聡明な女性でした。
映画も本当に素晴らしかった。

長谷川京子さん演じる彩子は私と同年代の女性。
たった一人でタイへやってきます。
言葉が通じない。辿り着いた場所がどこなのかもわからない。
その事に戸惑い苛立ちながらも、
人と心で触れ合う事で少しずつ変化していく。

この年齢の女性だからこそ感じる事がすごく伝わってきました。
特に同世代の女性に観て欲しい作品。
・・・なんて、えらそうですが本当にそう思います。 
それにしても、司会の人の「癒しの映画ですね!」と言うコメントには
はてしない違和感を感じました。
タイ、森の中、古式マッサージなど、一見癒しとも取れるアイテムが
ちりばめられてはいますが、これは癒しの映画などではありません。
大人になった私たちが目をそらしたい事、考えたくない事、
曖昧にしておきたいこと、ごまかしたいこと・・・
そういったことから貴方は目をそらさずに生きているか?
自分自身ときちんと向き合っているか?
人とまっすぐに向き合っているか?
という問いを、容赦なく突きつけられる作品だと思います。
ついつい逃げ出したくなる私にとってはある意味恐怖映画。

想う事と表現とのリンクがうまくいかないなあと感じる事があり
そのズレをなんとかしようと日々制作に向かっているのですが
解決のヒントとなるような映画でした。
と言っても、具体的なヒントがあるわけではなく、
「私自身がどう動くべきか」の糸口がみつかりそうな感じ。