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ヒロタが綴る日々の出来事

愛刀

2024.6/12

今取り組んでいる受注のくまポーチには内布として、シルクシフォンの生地を羊毛と重ねてフェルト化させている。その布は薄くて切りにくいのだけど、愛用の裁ち鋏を使うと気持ちよく綺麗に切ることができる。10年以上前に清水の舞台から飛び降りるつもりで買った京都の菊一文字の鋏だ。ずっしりと重みがあるから鋏を持つ手が安定しやすいし、逆刃はしっかり厚みがあり作業机に乗せて滑らせるように切れる。切れ味が悪くなったら送って研いでもらっている。よい道具を使わせてもらっているとそれだけで背筋が伸びる。長年の相棒。

先日手芸会社の方とお話をしていて、古くからある刃物の職人さんもだんだんと減っていること、原材料の鋼も国産のものは手に入りにくく少ないらしいと聞いた。

今年もようやく冬物のニット類をホームクリーニングした。綺麗に洗って干して、毛玉をカットし薄くなった所があれば直す。羊毛を扱う仕事柄、セーターやマフラーは扱い慣れているウール100%が好き。わたしのアイテムの修理のご依頼をいただくと、これもまた嬉々としてメンテナンスしてしまう。