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ヒロタが綴る日々の出来事

Porte Bonheur

2017.4/19


幸運を

Pluto.jpg
実は月よりも小さな星なんですよ。

ラテン語ではPluto。ローマ神話・冥府の王プルートに由来します。太陽系最深部に存在している冥王星を象徴するにふさわしい名前です。
ハート型、または鯨の尾にも似た模様が特徴。きっと、羊の夢を見るシロナガスクジラが住んでいるのだと妄想しています。

発見は1930年。近年までは太陽系第9惑星とされていましたが、2006年に太陽系惑星の仲間から外されました。現在では太陽系外縁天体内のサブグループ(冥王星型天体)の代表として"準惑星"に区分されている天体です。
準惑星になった理由としては、近年の太陽系研究の進歩で冥王星に似た大きさの外縁天体が次々と発見されたことなどが挙げられます。
(※外縁天体=海王星軌道よりも外側を回る、オールトの雲と呼ばれる領域に属する天体のこと)

公転の仕方が他の惑星とは随分と違います。
他の惑星は黄道面と呼ばれる仮想の平面にかなり近い面を公転しており、軌道の形は真円に近いのに比べ、冥王星の軌道は黄道面から大きく斜めに傾いていて離心率が大きいのです。このことにより、冥王星の軌道の一部が海王星よりも内側にくることがあります。

とはいえ、こういった区分は人間が勝手に決めているだけのこと。太陽系第9惑星であろうが準惑星であろうが関係なく、今も昔も変わらず冥王星はただただ存在しているだけで、そのことに私は心を打たれます。冥王星にとっては「何勝手に区分してんのよ」って話ですね。

2015年に探査機ニューホライズンズが訪れるまでは接近観測を行ったことがなく、データ解析も現在進行形で不明な点がまだまだ多い星です。ニューホライズンズが行った撮影によって、ハート型にも似たトンボー領域内にあるスプートニク平原など鮮明な画像が公開されました。それまではぼんや〜りしたアイスの実みたいな画像しかありませんでしたので、「これで惑星コースターにできる!」と、とってもワクワクしたのを覚えています。コースターにはもちろん、特徴的な鯨の尻尾(またはハート)のような模様を入れています。14等級以下であまり明るくない星で、落ち着いた少し明るめのブラウンをベースに仕上げています。
準惑星なので、台紙などのフォーマットは同じですが標本箱セットのみに入れていて、単品販売はしていません。

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久しぶりに復活、太陽系コースターのご紹介。あとは海王星と太陽ですね。宇宙のこと、星のことを学んでいくと、「私たちは何も知らないんだ」ということに改めて気付かされます。知ったふうに過ごしているけれど、私たちは何もわかっていなくて、わからないまま放り出されて生きている。そのことが嬉しいのです。聞きなれない言葉が並んで退屈な方もいらっしゃるかもしれませんが、なるべくわかりやすく書いていきますのでお付き合いいただければ幸いです。