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ヒロタが綴る日々の出来事

一陣の風が吹いて、

2015.11/19


黙々と作業している時というのは、案外いろんな事を考える。
特にローリングをしている時は50回、100回とゴロゴロ往復させているだけでもあるので、いってみれば単純作業で、ついいろんなことをとりとめもなく考える。大抵はしょうもない事だ。ローリング回数を数えながら別の事を考えているなんて、意外と器用なものである。

先日大山崎山荘美術館に行って、そういえばここを教えてくれ、案内もしてくれた人と随分会っていないし連絡も取っていないなあなんて事を思っていた。もう8年くらいになるだろうか。
美術の事、アートは作家のためではなく人のためにあるのだという事、内藤礼さんを「好きだと思うよ」と教えてくれた事、とりとめもないお話につき合ってもらってよくお茶した事、活動初期の頃はMacもろくに扱えずもちろん持ってもいなくて、よく展覧会のハガキのデータを作ってもらってMOディスク(そんな時代だった!)に入れてもらっていた事、猪熊源一郎現代美術館に行って須田悦弘展を観た事、1度目に大阪に住んでいて、もう引っ越さないとならない状況になった時に半泣きで電話して話を聞いてもらった事、などなど、小っ恥ずかしい部分も含めて随分とお世話になった方だったのに、今の今まですっかり忘れてしまっていたのだ。なんという。
そして、大山崎には何を観に連れて行ってもらったのかがどうしても思い出せない。中の喫茶店のテラス席で、当時私が来ていた服の質感に関心があったのだけは妙に覚えているのだが。
ともあれ、いろんな事を教えてもらい、私が影響を受けた人の一人には必ず入る方だと思う。(そういえばハチクロ全巻を返してもらっていない、という事まで思い出した。)

別に何かがあったわけではないし、喧嘩をしたわけでもない。理由はなく、でも何となく会わなくなって連絡も取らなくなり、気づけば8年である。
そんな訳でちょっと気になって、ひとまずパソコンにメールを出してみた。久しぶりに大山崎山荘美術館に行き、それきっかけで思い出したこと、お元気ですか私は元気ですというような内容の短い文章(携帯にメールをつけないという方だった)。思い当たるメールアドレスはどれもつながらずに返ってきてしまった。
あとは電話をかけるという方法しかないのだが、久しぶりすぎて電話するのも気が引けるし、番号も変わっているかもしれないし、何より今はつくらなければならないものがたくさんあって、そうだ、ここに日誌を書いている場合ではない。つながったとして、話に花を咲かせる余裕もないだろう。

そんなこんなで、せめて忘れないようにと真夜中にキーを打っている。
人との縁は変なものだ。とても仲が良かった人とすっかり会わなくなったり、もう連絡先さえ分からなくなった人もいる。でも確かに昔、よく過ごした時期というのはあったのだ。
いやもしかして、仲が良かったと思っているのは私だけかも...