天丼のブルース
2013.4/21
ご存知の方も多いだろう夏目友人帳に、今更ながらハマっています。
今更でほんとすいません。
夏目友人帳は4期まであるアニメシリーズ、原作は緑川ゆきさんの漫画です。
自然溢れる地方が舞台。
幼い頃に両親をなくしたこと、また他の人には見えない妖怪が見えることから、いろんな場所をたらい回しにされながら生きてきた主人公。
祖母の遺品「友人帳」を見つけ、祖母を知る妖怪と知り合い、物語ははじまります。
透明感あふれ、優しく繊細で不器用な主人公。マスコットキャラクターのような存在でもあり、普段のキュートな招き猫姿と本来の妖怪の姿とのギャップに萌え禿げるニャンコ先生、彼らを取り巻く魅力的な妖怪や人びと、人間と妖怪、それぞれの心の機微描写が素晴らしく、結構な割合で号泣してしまいます。現実にはそんな心根が見える事は困難じゃい、と思いながらも、見ているこちらの心がスレないという不思議。
ニャンコ先生役の声優さんの、招き猫のときの声と斑(ニャンコ先生本来の姿)のときの声との演じ分けもすごいですね。まさにギャップ萌え。
主人公の声優さんも素晴らしい。特に爆笑するときの声の演技、うまいなあと思います。
個人的に露神のお話が好きです。
明確な舞台設定はないとしながらも、原作者の緑川さんの在住地熊本県がモデルになっているよう。
田舎が舞台というのは自分にとってはけっこう新鮮です。
季節の移り変わりの描写も丁寧に描かれていて素晴らしい。
たらい回しにされ、辛い思いをし続けてきた主人公の過去にまつわるお話は正直、見ていて辛すぎるのですが、ニャンコ先生の明るさ(ひょうひょうとしていて、陽気で食い意地が張っているなど)、まわりの妖怪の明るさ、主人公の今の家族や友人たちの素敵さが大きく存在していて、バランスが取れているような気がします。
恋愛ものでないのも好きなところです。
きっと主人公を男の子にしたからですね。もし女の子だったら、恋愛がらみにもなりかねなくて、いろいろノイズが出てきそう。
それぞれの事情、思い、心づかい、優しさや厳しさ。
そういったものが描かれていて、胸に来ます。
毎度起こるいろんな事態を、収束にむかわせるのではなく、なるようになる場所へと導くような話運びも好みであります。
胸に仕舞った記憶を揺り動かされながらもしあわせな気持ちになる作品。
次は原作も読もうと思います。