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ヒロタが綴る日々の出来事

永遠ではないことへの悲しさと美しさ

2008.10/2


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個展が終わって

もう私の世界とは切り離された空間は

ただそこにぽっかりと存在している。


私にとって展覧会は、その会場とのコラボレーションだ。
空間に惹かれなければそこで展示がしたいとは思えないし
その空間に立った時 心に響かなければ展示も制作も無理なのだ。
私にとっての良い空間でさえあれば私は土地を選ばないし
どんな遠い地でも足を運び そこで空間を創り出すだろう。
今回のギャラリーは本当に良い空間だった。
古い建物の良い所は残し 建物に尊敬の念を持って手を加え
美しい場所へと変化させた織館の試みは、成功していたと思う。
長い年月を経て美しい色になった木の床や
今の技術では作れないガラス窓の揺らぎある美しさ

地上でたったひとつの、
そのときその場所でしか味わえない空気と、
あるべき場所にあるべき作品を、と気を配り 創る、
永遠ではない濃密で儚い空間。
「Purification」の空間での感想で、
"地面に吸い込まれる瞬間"と感じた方が居られて
ちゃんと観て下さった方が居られることが嬉しかったです。
ああいった展示だから、ひゅーっと一回り観て終了、
なんて方も多いですから・・・。


展覧会を終えて、ちょっと半分幽体離脱中
でも他の通常作品も作らなければ。
関西でワークショップをする企画も浮上し。
ただフェルトでものを作るだけではない、
素材との向き合い方や制作の姿勢のことなどを
示すことのできるものになるといいなと思っています。

DSC00019_2.JPGのサムネール画像
そしてこれは、展覧会のお祝いに頂いたお花のその後。
枯れてきてドライになっても また違う美しさが出てくる。
朽ちてゆく美しさ。永遠ではないこと。
そんなことが、これからの私の探求するキーワードのひとつに
なりそうで、ここから何かが見えてきそうで。
それはまだ言葉では説明のできないものなのだけど

確かなものは何もない
永遠は存在しない
物質もそうだし ひとの気持ちだってそうだ。
その中で生き物たちはただ生きて朽ちてゆく
私はそこに深い悲しみとともに美しさを見る